基準トルクは適正トルク?2
2014-05-07


前記事では内容的に題名に行きついてないので
ついでに書いときましょう

M12のホイルナットのトルク
カー用品店に行ってトルクレンチ見ると
100が標準とか103が標準とか106が標準とか
結構表示がバラバラです。
なんでだろうと考えてみました
T社のボルトは前記事で計算した通り
100N・mが一般的トルクですが
同じM12でもピッチ1.25を使ってるメーカーもあるので
この場合ボルトの有効断面積が変わってきます
M12XP1.25の有効断面積は92〓なので
前記事のボルトが耐えれる荷重が7360kgfになり
同じ計算すると一般的トルクは1060kgf・cm(約106Nm)
何か見えてきましたね^^

一般的なトルク計算をするとボルトピッチの違いで
トルクが異なってきます
ディーラーによる整備では問題ありませんが
メーカー限定せず扱う整備工場で作業するのに
同じサイズのねじの基準値が異なるのは不便ですよね
ということで
ある時期メーカー間で話し合ってトルクが高い方で統一した・・けど
よくよく考えると低い方の基準値のメーカーは
締めすぎのリスクが高くなるので、やっぱり100N・mって言い始めた
カー用品店のトルクレンチは
間をとって103N・mを基準にしたものが出た・・って流れでしょうか
(あくまで私の想像ですが・・)

ということで
題名の「適正トルク」とはどれが正解でしょう??

答えは「適正」トルクというものは存在しない・・なんです
機械設計の本には昔は
「ねじサイズごとの締め付けトルク」が載ってましたが
最近のものには載っていません
なぜかというと
トルク式というねじの締め方は
他に適当な(簡単な)管理方法がないので普及してますが
全く信用できないものなんです
前記事の計算式の
「0.2」って係数も「60%の軸力」ってのも
「一般に」って話で
ねじの状態で係数はばらつくし
60%が適当かどうかも保証がありません

メーカー基準値は
いろんな誤差を考えたところで
このくらいの数値を書いとけば
おそらく締め付け不足も締めすぎも発生しないであろうという値なんです

私の場合
メーカー基準値よりかなり緩めにしめてます
正確には冬場はかなり緩め
スキーシーズンが終わると基準値の若干下です
なぜかというと、地域がら
スタッドレスタイヤは必要な時しか付けないので
冬場はかなり頻繁にホイル脱着します
交換ごとにメーカー基準値で締めていると
ねじ山が痛むんです。
よって必要最低限しか締めません
そのままディーラーに点検に出しても
「緩い」と言われたことはありません

個人的には
ホイルナットは基準値でしまっていることが重要ではなく
・すべてのボルトを同じトルクで締める
・緩んでないかこまめにチェックする
ことが大事で
ホイルとハブが締め付け力不足で微動しないかぎり
基準値より低いトルクで締めていても全く問題ない
と思っています。

めったにホイル脱着しない人は
もちろん基準値で締めましょう!


もう一つトルクレンチの話・・
プリセット式のトルクレンチの誤差は5〜10%あります
加えて締め方(人による誤差)によっては最大30%くらいばらつきます

トルクが上がるのを感じながらゆっくり回していって
一回カチっと言ったら完了です
(カチッと折れた後に惰性で締まらない速度で締めましょう)

締めるときにカチカチって数回やるのはどしろーとで
これだけで設定トルク以上に締まってしまうので
やってる人は念押しみたいな意識でしょうが
カー用品店のピットでこの音聞くと技術的信用度0です
(トルクレンチ使う意味がありません)

またプリセット式のトルクレンチは
ほとんどラチェット式になっていて
構造的には緩め方向に回すことができますが

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